頭皮上脳波

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脳波 (Ictal-Interictal Continuum/Electrographic Seizures)

【Ictal-Interictal Continuum (IIC)】周期性発射もしくは棘徐波が (>1.0 Hz, ≦2.5 Hz) 10秒以上持続, or周期性発射もしくは棘徐波が (>0.5 Hz, ≦1 Hz) 10秒以上持続し, plusもしくはfluctuationを伴う, or片側性のrhythmic delta activityが (>1 Hz), 少なくとも10秒以上持続し, plusもしくはfluctuationを伴う
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脳波 (Lennox-Gastaut syndrome)

Lennox-Gastaut syndromeの記事はこちら発作間欠期縦の双極誘導: 位相反転ははっきりしない. ページ左の波形: 全般性paroxysmal fast activityを示唆ベージ右の波形: 全般性polyspikeを示唆...
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表面筋電図/SEP (BAFME)

良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん (benign adult familial myoclonus epilepsy)常染色体優性遺伝性疾患で成人に発症皮質振戦とよばれる細かいミオクローヌスが特徴的一次体性感覚皮質から生じるN20とP25その後, 中心前野の活性化を反映してN33が続く明確なgiant SEPの定義は存在しなく, 研究によって様々
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脳波 (Electroclinical seizure)

【Electroclinical Seizure (ECSz)】EEGパターンによらずA) 脳波と臨床所見がtime-lockedに関連する, orB) 静注抗発作薬により脳波と臨床所見が改善する
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脳波 (後頭葉てんかん1)

後頭葉てんかんの場合は, end of chainと呼ばれるIEDsを認めることがあります.つまり, O1, O2電極よりもさらに後ろにnegativityがある場合, 通常の縦の双極誘導では位相反転が検出できなくなります.このときは, 下記のような輪っか状のモンタージュ (通称: ポン・デ・リング) が役立ちますまた, 注意深く観察すると, スパイクは後ろから前に向かって, 位相がずれていることも散見します.
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発作開始前α波減衰 (attenuation) は側方化の判断に役立つ

側頭葉てんかんにおいて, 発作前片側アルファ波減衰は, 84.6%で側方性の評価に役立つ.平均して発作時脳波変化開始の5.9±2.6秒前に発生TLEの一部では, 視床を介する視床-側頭後頭葉ネットワーク機能の異常を示唆.
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外来脳波検査の推奨 (ILAE)

少なくとも1台のカメラを使用して録画することを強く推奨.5 kΩ未満のインピーダンス値が推奨推奨される高周波フィルター設定は70 Hz, 低周波フィルター設定は0.5 Hz (時定数0.3 s)推奨される成人の記録は7 μV/mm, 小児は10 μV/mm判読において, これらの調整, 電位マップ表示, 注釈をいれることは推奨される.若年性ミオクロニーてんかんが疑われる患者には, 朝の時間帯SeLECTや乳児てんかん性スパズム症候群が疑われる患者には, 睡眠記録を優先乳児てんかん性スパズム症候群が疑われる場合は, てんかん性スパズムを記録する可能性を高めるために, 覚醒後も10分間記録を延長する過換気, 光刺激は禁忌がない限り, ルーチンで行うことを推奨過換気禁忌: 鎌状赤血球症, もやもや病, 動脈瘤を含む脳血管奇形, 過去 3 か月以内の脳血管イベント, 頭蓋内圧亢進, 心筋梗塞, 不整脈, 重篤な心疾患, 重篤な肺疾患, 妊婦光刺激禁忌: 妊婦
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脳波レポート記載 メモ

脳波レポート記載のための用語まとめです.
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全般てんかんの焦点性脳波異常と発作症状2

最も多かった側方徴候は, head version (66.7%)IGEでも, 発作時脳波で焦点起始は13%に存在する.全般性IEDsをもつ患者で, 焦点性IEDsがない, もしくは焦点IEDsがあっても発作時脳波起始と一致しない場合は, 96.6%の精度で全般てんかんと焦点てんかんの鑑別が可能
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アメリカ臨床神経生理学会の推奨モンタージュ

ガイドラインでも推奨されていますが, bipolar montageとreferential montageの両方での比較が大事です.側頭葉てんかん疑いでは, Cz, AVでも評価する.前頭部焦点の場合は, 耳朶でも評価する.Fz, Cz, Pzや, P3, P4電極を間引かれて測定されているも散見しますが, 21個の電極すべて使用することも推奨されています.
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正常亜型のスパイク (wicket, SSS, 14 and 6 Hz positive)

有病率6.8~15%主に成人, 年齢中央値は28歳 (範囲1~89歳)単相性の弓状または鋭い輪郭単一または0.5~3秒間続く連続6~11Hz, 60~200 μV中側頭部で最大片側だけに見られることが多いが, 両側もある. 左側が多い.眠気や浅い睡眠 (ステージ I および II) が多く, 覚醒時やレム睡眠時にも見られる.単発の場合, てんかんと誤診される
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正常亜型の徐波 (RMTD, SREDA)

正常亜型有病率6%年齢中央値30歳 (範囲 3~80 歳) 主に若い成人に見られるが, 小児にも見られる中側頭部で最大律動的, 中~高電位, 4~7 Hzのシータ帯域傍矢状面および後側頭部に広がる場合がある片側または独立して両側に見られる場合がある弓状, ノッチ, 平坦などの形態で, 輪郭がはっきりしている場合がある
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島葉てんかん

シルビウス葉周囲に広がる島葉の発作では, 最初に喉の収縮として現れる.次に, 口周囲および片側感覚症状が続き, 最後に片側の運動症状が現れる.島葉の発作は, 側頭葉, 前頭葉に広がり, これらの領域で発生する発作のように現れることがある.島は脳の奥深くに位置するため, 発作間欠期および発作時脳波は変動しやすい.対側の島や他の脳領域に, 発作が急速に広がる可能性がある
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全般てんかんの焦点性脳波異常と発作症状1

発作症候の側方化の判断は, 評価者によって異なることがあり, ばらつきが多いです.非対称性の強直発作は, 焦点てんかんの特異度が高そうですCase 2のように, 病歴は焦点てんかんを示唆することはあっても, IEDsと発作時脳波から全般てんかんと診断できることもあります.
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焦点てんかんと全般てんかんの脳波: review

焦点てんかんの二次性同期, 全般てんかんとのIEDsの鑑別は, 下記を含めた包括的な判断が必要です.焦点てんかん: 発作間欠期徐波は, 焦点てんかんのIEDsと同じ領域ダイポールは一定IEDsは, 睡眠で賦活化全般てんかん:IEDsは, 覚醒時に賦活化. VPAで断片化や消失する過換気賦活でIEDsが誘発されうる
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焦点てんかんの脳波は焦点源で異なる (二次性両側同期)

焦点ごとの違いと, 二次性同期化について調べてみました焦点の場所により脳波の特徴が異なり, どのように伝播していくか, 脳波でイメージすることが大切です.焦点てんかんの二次性同期化と, 全般てんかんのIEDsの鑑別は, 信号源の推定と方向が役立ちそうです.
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発作時脳波はreferential montageも大事

陰性電位が側頭部に均等に分布していたため, 縦の双極誘導では明らかにならなかった.この症例では, 発作にEEGの相関がないと結論付ける前に, referential montageでも検討する必要があった.
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電位マップの解釈はどう行う?

IEDsの始まりからピークまで, どのようにnegativityが分布するかを確認することで, 発生源を推定することに役立ちそうです.きれいにダイポールを描かないケースもあるので, 適切な波形を選択することも重要です.
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脳波は電位マップも大事2

まずは, negativity (青), positivity (赤) がきれいに描かれていることを確認します.次に, 青と赤の頂点間のベクトルをイメージします.ベクトル上に焦点があることを推定できます.
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脳波 (midline theta rhythmとFmθ)

別名: Ciganek rhythmDuration: <20 sec, Smooth, sinusoidal, arch-like, spiky appearance (>50uV)Amplitude: waxes and wanesVertex (Cz)
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脳波 (若年欠神てんかんと過換気賦活)

全般てんかんの判読は, fragmentationか焦点性なのかの判断が必要です.脳波記録全体での判読と病歴を確認することが重要です.過換気賦活中に, spike成分の混入がないか, 欠神発作が誘発されて過換気のリズムが異なっていないか, 注意が必要です.
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発作リスクが高い脳波パターン (critical care EEG)

LPD, LRDA, GPD は発作と関連したが, GRDAは関連しなかったLPDはplusの有無にかかわらず, すべての周波数で発作と関連LRDA, GPDは, 1.5Hz以上の場合に発作と関連
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脳波 (phantom spike: 6 Hz spike and waves)

典型的な全般てんかんのIEDsは, 前頭部優位, 2.5-4.5Hz程度のことが多いです.Phantom spikeは, 6Hz前後で, 波形は小さく, かわいらしい印象を持っています.WHAMとFOLDを分類するにあたっても, 適宜モンタージュを変更して分布を確認することが重要です.
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脳波 (全般性 vs 二次性同期化)

脳波検査では, 全般てんかんのfragmentationを焦点と解釈したり, 焦点てんかんの二次性同期化を全般と解釈したりしてしまうことがあります. 上記に示したように, 双極誘導, referential montageを比較しながらnegativityの分布を頭の中でイメージし, その所見が臨床情報に矛盾しないか考察することが大事だと考えます.EEG spikeが同じ側から常に微妙に早く先行していないか, EEG spikeの振幅がどちらかに常に寄っていないか, 注意深く判読することが重要なのではないかと考えています.もしそうであるならば, 特に内側前頭葉てんかんの可能性を疑い, その視点で画像も判読することが重要だと考えています.
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Critical Care EEG 2021 (ACNS)

【Electrographic Seizures (ESz)】A) てんかん性放電が平均 > 2.5 Hzが10秒以上持続 (10秒間に>25回のてんかん性放電), orB) パターンによらず, evolutionを伴い10秒以上持続evolutionを満たすには, 少なくとも2つの異なる電極への広がりが必要【Electrographic Status Epilepticus (ESE)】ESzがA) 10分以上, or B) 60分記録のうち合計20%以上持続を認める場合【Electroclinical Seizure (ECSz)】EEGパターンによらずA) 脳波と臨床所見がtime-lockedに関連する, orB) 静注抗発作薬により脳波と臨床所見が改善する【Electroclinical Status Epilepticus (ECSE)】ECSzがA) 10分以上持続, orB) 60分記録のうち合計20%以上持続, orC) 全身けいれん発作が5分以上持続【Brief Potentially Ictal Rhythmic Discharges (BIRDs)】焦点もしくは全般性律動性活動が >4 Hz (少なくとも6波形が規則的), ≧0.5秒, <10秒続く(ESzの場合は10秒以上持続)さらに, A, B, Cのいずれかを伴うDefinite:A. Evolution ("evolving BIRDs"), orB. もともとてんかんがある患者で, 同様のIEDsや発作波形であるPossible:C. 鋭く反転するが, A, Bを満たさない
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Critical Care EEG 2021 (ACNS) EEG sample

Critical Care EEG 2021 (ACNS) の脳波サンプルです.
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脳波 (せん妄)

発作は7/50人 (14%) に発生右前頭葉発作 1人, NCSE 6人NCSE 6人のうち, 脳卒中 2人, 硬膜下血腫 1人, アルコール離脱症状 1人20人がASMで治療 (40%)6/20人はNCSEの臨床的疑いで, cEEGを受ける前に薬剤を投与. 3/6人はPD/NCSE/NCSzなし.14/20人はcEEGの開始後に投与. 7/14人でNCSE/NCSz, 4/14人でPDS, 2/14人でmulti focal, 1/14人でbilateral independent periodic discharges
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てんかん性異常はMRIと一致するか?

IEDおよび発作時脳波の局在は, 脳領域で大きく異なる.側頭葉以外では, MRI病変と脳波の局在が異なる可能性が高いことを念頭におく.
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脳波は電位マップも大事1

電位マップを用いると視覚的に評価しやすくなり, さらに陽性電位 (positivity) も認める場合は, 電流源とその電流方向を推定することもできます. このイメージを持てると, 全般性と二次性同期化の判別もつくようになります.しかしながら, アーチファクトでもきれいに電位マップを描いてしまうこともあるので, 適切な波形のピークを選択することが重要です.
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脳波 (若年ミオクロニーてんかん1)

スパイクの位相反転がわかりづらい場合は, 全般性異常を疑い, referential montageで確認する必要がある.
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脳波 (前頭葉てんかん)

前頭葉てんかんの脳波は多様であり, 内側, 前頭眼窩の場合は, 全般性のように広範囲に広がってみえることがある.特に前頭眼窩の場合は, 頭皮上脳波電極と距離があるので, より全般化した脳波になりやすい.内側前頭葉てんかんの場合には, 発作時脳波変化が捉えられないこともある.前頭葉てんかんの場合は, 頭皮上脳波の解釈には注意が必要です.
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脳波 (焦点てんかん1)

montageは, 少し調整したり切り替えることでさらなる情報を得ることができます.焦点てんかんの脳波は, てんかん性放電は脳のどこからはじまり, どのように広がるかをイメージしながら推定することが大切だと思います.
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脳波 (側頭葉てんかん1)

電位がどのように波及しているか確認する. 耳朶基準montageは, 左と右に分けると波及がよりわかりやすくなる.