てんかん症候

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意識減損しない対称性強直発作 (両側補足運動野)

両側性強直姿勢は, どんなメカニズムで発生するのか気になったので調べてみました.両側の補足運動感覚野が巻き込まれることに起因しそうです.補足運動感覚野に限局的だと意識は減損しにくいようです.“Seizures with tonic post...
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ミオクローヌス (分類・電気生理・治療)

生理的ミオクローヌス睡眠時反射、断片的ミオクローヌス、驚愕反応本態性ミオクローヌスミオクローヌス・ジストニア症候群: 遺伝性であることが多く, 遺伝性または散発性の場合がある.イプシロンサルコグリカン遺伝子(SGCE)の変異が関与していることが多く, 常染色体優性遺伝てんかん性ミオクローヌス発作の唯一の症状として発生することもあれば, てんかん症候群内の複数の発作タイプの1つとして発生することもある症候性または二次性ミオクローヌス毒性, 代謝性, 感染性, 炎症性, 変性性, 構造的原因など
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表面筋電図/SEP (BAFME)

良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん (benign adult familial myoclonus epilepsy)常染色体優性遺伝性疾患で成人に発症皮質振戦とよばれる細かいミオクローヌスが特徴的一次体性感覚皮質から生じるN20とP25その後, 中心前野の活性化を反映してN33が続く明確なgiant SEPの定義は存在しなく, 研究によって様々
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眼瞼ミオクロニーを伴うてんかん (Epilepsy with Eyelid Myoclonia)

以前はJeavons症候群と知られていた.頻回の眼瞼ミオクロニー, 欠伸を伴うあるいは伴わない, 閉眼や光刺激で誘発, の3つを特徴眼瞼ミオクロニーは, しばしば覚醒直後に最も顕著である顕著に光で誘発される眼瞼ミオクロニー (欠神は伴うことも伴わないこともある) と, 欠神発作やミオクロニー発作をもつ一群がいるこの一群は,発作起始時に顔を光源となる太陽に向けることがあり,日光を求める行動から以前は「ひまわり症候群(sunflower syndrome)」「顕著な光誘発を伴うEEM」と呼ぶことができる.
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焦点運動/非運動発作の症候まとめ

自動症 (口部)内側側頭葉, 島弁蓋部, 扁桃体, 前部帯状回, 後部帯状回, 上内側前頭葉海馬起始では口部自動症が早期に発症し, 海馬外側頭葉起始では後期に発生自動症 (四肢)新皮質側頭葉てんかんよりも内側側頭葉てんかんでより頻繁に見られる前頭葉てんかんの自動症は, 側頭葉てんかんの自動症よりも範囲が広く, より速い動き自動症 (性器)前部帯状回, 側頭葉, 前頭葉 先行する前兆, 片側性の手の自動症, および/または発作時の尿意切迫感と関連してよく見られる
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てんかん問診のアルゴリズム

Red flags: 皮膚が突然青白くなる, 排尿または排便直後の意識消失, 10秒未満の失神, 発作が10分以上続き発作中は目を閉じている, 重度の発作前頭痛, 転倒エピソード (起立性, 咳嗽後, 疼痛後)MRI: 灰白質病変があるか?唇を鳴らしたり噛んだりする: 発作中に唇を鳴らしたり, 噛んだりする動作がありましたか?夜間発作のみ: 患者は夜間のみに発作を起こしますか? (少なくとも2年間に5 回以上)発症年齢21歳以上: 最初の発作は21歳以上で発生しましたか?一点凝視20秒未満: 発作後の混乱を伴わずに, 意識障害を伴う凝視から構成されていましたか?Jark: 突然の不規則なぴくつきが, 単独または短時間の連続でしたか?
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全般てんかんの焦点性脳波異常と発作症状2

最も多かった側方徴候は, head version (66.7%)IGEでも, 発作時脳波で焦点起始は13%に存在する.全般性IEDsをもつ患者で, 焦点性IEDsがない, もしくは焦点IEDsがあっても発作時脳波起始と一致しない場合は, 96.6%の精度で全般てんかんと焦点てんかんの鑑別が可能
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島葉てんかん

シルビウス葉周囲に広がる島葉の発作では, 最初に喉の収縮として現れる.次に, 口周囲および片側感覚症状が続き, 最後に片側の運動症状が現れる.島葉の発作は, 側頭葉, 前頭葉に広がり, これらの領域で発生する発作のように現れることがある.島は脳の奥深くに位置するため, 発作間欠期および発作時脳波は変動しやすい.対側の島や他の脳領域に, 発作が急速に広がる可能性がある
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全般てんかんの焦点性脳波異常と発作症状1

発作症候の側方化の判断は, 評価者によって異なることがあり, ばらつきが多いです.非対称性の強直発作は, 焦点てんかんの特異度が高そうですCase 2のように, 病歴は焦点てんかんを示唆することはあっても, IEDsと発作時脳波から全般てんかんと診断できることもあります.
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反射てんかん (reflex epilepsy)

真の反射てんかんと反射発作を鑑別するには病歴が大事.IGE, 症候性てんかん, 特発性光過敏性後頭葉てんかん, その他の視覚過敏性てんかん, 一次読書てんかん, 驚愕てんかんなどとの鑑別が必要そうです.
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笑い発作 (gelastic seizure)

感情的な笑い前帯状回, 腹側前頭島皮質, 扁桃体, 視床下部, 中脳水道周囲灰白質に位置すると推測非感情的な笑い補足運動野, 前補足運動野, 前頭運動蓋蓋野, 運動皮質, 頭頂皮質のネットワークを推測視床下部過誤腫に関連する笑い発作では, 感情的な笑いが特徴焦点てんかんの場合, 他の徴候と関連した機械的な笑いとして現れることが多い
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てんかん病歴聴取

まず, てんかん, 非てんかん, てんかんと非てんかん合併かを判断します. てんかんなら, 焦点, 全般, 焦点全般合併か, 焦点ならどこの焦点らしいか, 全般なら欠神かミオクロニーか, いわゆるてんかん脳症を示唆する退行がないかです. 特に心原性失神の場合は, 命にかかわるので非常に重要です. QT延長症候群で致死性不整脈による失神を, てんかんと誤診されていた例も経験したことがあります.
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心因性非てんかん発作 (PNES)

PNESの発作徴候は様々ですが, 閉眼, 頭部を左右にふる, 四肢の動きが非同期, 後弓反張, ベッド上で回転する, 発作経過が変動的の場合は, PNESを想定する必要がありそうです.プロラクチン, CK値は有用ですが, 強直間代でないと正確性は低いかもしれません.前頭葉てんかんの過運動発作の場合は, PNESとの鑑別が困難であり, ビデオ脳波モニタリングが必要になります.てんかん焦点が前頭眼窩や内側だと発作時脳波でも所見が得られないこともあります.てんかん専門医でもPNESと誤診しているケースがあり, 詳細に情報を集めることが重要です.
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頭頂葉てんかん

陽性, 陰性感覚発作が生じる. 見当識障害, 複雑な幻視, 眩暈, 視覚錯覚, 身体イメージの障害の発作が起こることもある.優位半球側では, Gerstmann症候群の症状が現れることもある.
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後頭葉てんかん (症候性・COVE・POLE)

後頭葉てんかんは発作後に頭痛を伴うこともあり, 片頭痛との鑑別が困難になる. 一次視覚野からの発作は, 多色で円形, 増殖しながら大きくなることが特徴とされるため, 片頭痛の視覚前兆とはやや異なる.症候性後頭葉てんかんの場合は, IEDsが後頭部ではなく, 後側頭部に限局することが多く注意が必要である.小児期から青年期に発症した場合は, COVEとPOLEも想起する.
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てんかん発作の側方徴候

側方徴候のまとめです.olfactory (嗅覚): 扁桃体, 前頭眼窩, 後外側島皮質painful and thermal: 対側の後外側島皮質vestibular (平衡感覚): 側頭頭頂visual: 片側の場合は対側の視覚野dystonic: 対側, 主に側頭葉てんかん眼振: 対側の後頭葉瞬目: 同側chapeau de gendarme (警察官?の帽子): 前部帯状回asymmetric clonic ending: 間代が片側で終わる場合は, 同側を考慮gestural automatisms distal (遠位の身振り自動症): 同側, 主に側頭葉てんかんictal grasping: 前部帯状回bradycardia: 側頭葉, 前頭葉tachycardia: 側頭葉hypersalivation (流涎): 島皮質-眼窩apnea: 側頭葉, 主に対側に伝播したときpostictal headache: 同側, 側頭葉てんかんpostictal nose wiping: 同側, 側頭葉, 前頭葉
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てんかん発作用語

発作分類のメモです.
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てんかん発作型分類 (ILAE 2017)

発作起始が焦点性か全般性かを判断する (80%の確実性). そうでない場合には起始は不明とする.最初の顕著な徴候および症状により焦点発作を分類する. 一過性の動作停止は考慮しない.一部の強直間代発作では, 今にも発作が起こりそうな何とも言えない感覚や, 短時間, 頭部や四肢の偏向を伴うことがあるが, どちらも全般起始を否定するものではない.非定型欠神発作は, 発作の始まりまたは終わりが緩徐である. 筋緊張の著しい変化を伴う, あるいは脳波で3Hz未満の棘徐波が認められる場合, 欠神発作は非定型である.間代発作とは持続する律動的なびくつきであり, ミオクロニー発作とは規則的だが非持続性のびくつきである.ジストニアは, 主動筋と拮抗筋の持続的収縮によるアテトーゼ様運動または捻転運動と定義され, 遷延すると異常姿勢を呈する「脱力(atonic)」は緊張を伴わないことを意味する.てんかん性スパズムにおいて, 焦点起始発作であった場合, 治療可能な局在性病変に対応していることがあるため重要である. スパズムはどの年齢でも起こり得る.
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前頭葉てんかんの症候/睡眠関連運動亢進てんかん

一見PNESのような発作エピソードでも, 内側前頭葉もしくは前頭眼窩からの前頭葉てんかんであることもあります. 前の記事で記載したように, 内側, 前頭眼窩由来の場合は脳波で検出できないこともあります.よって詳細な病歴聴取が鍵となります. 睡眠関連運動亢進てんかんの場合は, CBZ, LCM, TPM, アセタゾラミドも良いかもしれない.SHEの患者は, 発作時に両側性運動があっても意識が保たれている場合がある. また, 発作時脳波は決定的な発作パターンを示さない場合があるため, PNESと誤診されることがある.PNESはあまり定型的ではなく, 覚醒中に起こるのに対し, SHEでは定型的な運動亢進症状, 短時間, 睡眠中夜間を通して発作が群発することによりPNESと区別することができる.
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自己免疫性精神病

新規発症, 亜急性に進行する, カタトニア, ジスキネジア, 顕著な認知機能低下, 意識レベル低下, 新規けいれん発作, 血圧・体温・心拍変動といった自律神経症状は, 自己免疫介在性脳炎も考慮した方がよいかもしれない.カテゴリーB のうち, 少なくとも2つの症状および脳波異常があれば, 抗NMDAR抗体脳炎に注意.
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表面筋電図: てんかん性スパズム, ミオクロニー発作, 強直発作

EEG spikeから20-60 msの潜時差で発生するsEMGのspike様波形はmyoclonic seizureを疑う.てんかん性スパズムは1-3秒, 強直発作は3秒以上を目安にする.
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Perioral myoclonia with absence (PMA) とは

EEGは全般てんかんで, 頻回に口だけにmyoclonic seizureを認めた症例がいたので調べてみました. 小児期発症の欠神発作, 口周囲のミオクロニー発作, 欠神発作重積をみたらPMAを想起する必要がありそうです.