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進行性ミオクローヌスてんかん: 治療

PMEの治療に伝統的に使用されているASMは, VPA, CZP, PB.これらの薬は, 全般発作とミオクローヌスを軽減する可能性がある.有効性が示されている新しい薬は, LEV, TPM, ZNS, PER.PHT, CBZ, LTG, GBPは, ミオクローヌスまたはミオクロニー発作を悪化させる
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アルコール依存症患者における局所性NCSE(SESA症候群)

SESA症候群は, 慢性アルコール依存症患者における局所性NCSEとされているが, 専門家委員会による検証や合意には至っていない反復する焦点性非けいれん性発作の存在と, ictal-interictal continuum (IIC) との, 動的な臨床と脳波異常の状態.慢性微小血管虚血性病変を伴う状態において, アルコール乱用が関与すると考えられているアルコール離脱症候群は振戦せん妄とは異なるため, SESA症候群という用語が誕生した.
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意識減損しない対称性強直発作 (両側補足運動野)

両側性強直姿勢は, どんなメカニズムで発生するのか気になったので調べてみました.両側の補足運動感覚野が巻き込まれることに起因しそうです.補足運動感覚野に限局的だと意識は減損しにくいようです.“Seizures with tonic post...
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てんかんと睡眠

The Reciprocal Relationship between Sleep and Epilepsy. J Pers Med. 2024【睡眠構造】非急速眼球運動睡眠 (NREM) と急速眼球運動睡眠 (REM) に分けられるNRE...
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subtotal hemispherotomy (中心前後回を温存する半球亜全離断術)

subtotal hemispherotomy (感覚運動皮質を残した半球離断) を受けた, 片麻痺のない20人の小児を後ろ向きに分析【abstract】発作発症時の平均年齢: 3.2±2.8歳手術時の平均年齢: 7.5±4.4歳平均追跡期間: 3.5±2.1歳すべての小児に半球病変あり最終追跡評価では, 小児の75%が発作のない状態を維持単変量解析では, 離断後の中心皮質におけるてんかん様放電の存在は, 発作転帰の予後不良因子であることが明らかになった.中心弁蓋および島の離断は, 手術後の運動機能の予後不良因子だった.片麻痺のない小児に, subtotal hemispherotomyを実施することで良好な発作転帰が得られた.中心弁蓋と島の分離により, 運動機能障害の可能性が高まる可能性がある
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持続脳波モニタリングの適応 (critical care EEG)

深部焦点の発作を特定できない場合がある単純部分発作の約21%のみが頭皮EEGで変化を示すイベント中に脳波変化がないことは, 発作を完全に否定できるわけではない. CCEEGの長さは, 少なくとも24時間の記録が推奨されるが, 状況により異なる通常30~60 分のEEG 記録では, 最終的に発作が記録される患者のうち, 45~58%のみで非けいれん発作が特定される非けいれん発作の約80~95%は, 24~48時間以内に特定できる昏睡, 周期性放電がある患者, 持続鎮静されている患者では, 非けいれん発作が遅れて発生する可能性がある.より長期間 (48時間以上) が必要になる場合があるEEGの最初2時間以内にてんかん性放電がない患者では, その後72時間以内に発作を起こす確率は5%未満
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Planning and Management of SEEG (review)

「側頭葉プラス」てんかんでは, 内側側頭葉および新皮質側頭葉に加えて, シルビウス葉周囲および島状領域が調査すべき重要な構造である.前頭葉てんかんでは, 発作の機能的および解剖学的組織 (前部 vs 後部, 内側 vs 背外側) を決定することで, 埋め込み電極をより的確にターゲットすることができる後部てんかんは, 組織が複雑になる傾向があり, 多葉性で, 多くの場合は両側性の調査が必要になる病変の場合, 血管病変または嚢胞の場合を除き, 1つまたは複数の病変内電極を埋め込むことが有用な場合がある
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海馬の構造 (てんかん)

馬の神経喪失は, T1の海馬容積の減少と相関神経膠症, 特に歯回は, T2/FLAIR高信号FLAIR, T2を使用して確認FLAIR上の体積異常と, 高信号の両方が, 存在しないことがある.どちらか1つで, 海馬硬化症の診断を下すのに十分である.左海馬硬化症T1 (青色矢印) で海馬体積の減少右側 (オレンジ色矢印) と比較して, 左側は正常な相互 (緑色の矢印) が失われている左海馬硬化症FLAIR高信号 (青色矢印)【海馬硬化症の間接的な兆候: 側脳室下角】海馬は, 側脳室下角のすぐ下の海馬溝に位置する海馬側面または体積は, 側脳室下角の形態に直接影響する海馬硬化症の最も一般的な兆候は, 側脳室下角の拡張しかし健康な被験者にも頻繁に発生する
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てんかんに関連する脳構造異常

【神経細胞移動異常症】大脳皮質形成過程における神経細胞移動 (後) の障害によって生じた皮質形成異常狭義には無脳回と厚脳回の古典型滑脳症広義には異所性灰白質 (皮質下帯状異所性灰白質と脳室周囲結節状異所性灰白質), 多小脳回, 敷石様皮質異形成, 裂脳症, 孔脳症を含む
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抗NMDAR脳炎 update 2019 (症候・髄液・脳波・MRI・予後)

最初の2年間で, 12%が再発する髄液:細胞増加 (95%), タンパク上昇 (91%), オリゴクローナルバンド (32%)脳波: diffuse slowing (91%), focal slowing (34%), GRDA (48%), electrographic seizure (61%), extreme delta brush (30%).96%に異常脳波を認めるが, 初回記録では71%で正常な後頭葉リズム脳波の感度は高い (96%) が, 正常な脳波では抗NMDAR脳炎を除外することはできない脳MRI:MRI異常 (55%)側頭葉 (22%), 大脳皮質 (17%), 小脳 (6%), 脳幹 (6%), 基底核 (5%), その他 (脳梁, 視床下部, 脳室周囲, 白質に8%)造影効果 (14%)第1選択療法の開始から4週間で改善が見られなかった221人 (47%) のうち, 第2選択療法を受けた125人 (57%) は, 受けなかった96人(43%)と比較して有意な改善あり抗NMDAR脳炎につながる精神症状 (SEARCH For NMDAR-A)
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抗NMDAR脳炎 (精神症状の特徴と悪性症候群)

発症時の精神症状は,幻視・幻聴 (n=26, 40%)うつ病 (n=15, 23%)躁病 (n=5, 8%), 急性統合失調感情エピソード (n=15, 23%)摂食障害または依存症 (n=4, 6%) などを認めることがある.悪性症候群の発症もめずらしくない.
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成人てんかん 投稿先メモ

てんかん特化型IFJournal補足6.6EpilepsiaILAE5.8Epilepsy CurrentsAES2.8Epilepsia OpenILAE2.7Seizure2.7Epilepsy and Behavior2.3Epile...
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ミオクローヌス (分類・電気生理・治療)

生理的ミオクローヌス睡眠時反射、断片的ミオクローヌス、驚愕反応本態性ミオクローヌスミオクローヌス・ジストニア症候群: 遺伝性であることが多く, 遺伝性または散発性の場合がある.イプシロンサルコグリカン遺伝子(SGCE)の変異が関与していることが多く, 常染色体優性遺伝てんかん性ミオクローヌス発作の唯一の症状として発生することもあれば, てんかん症候群内の複数の発作タイプの1つとして発生することもある症候性または二次性ミオクローヌス毒性, 代謝性, 感染性, 炎症性, 変性性, 構造的原因など
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脳腫瘍とてんかん

脳腫瘍患者におけるてんかん発症頻度は, 腫瘍の種類に応じて30~100%と大きく異なる神経膠腫, 胚芽異形成性神経上皮腫瘍 (DNET), 神経節膠腫 (GG), 低悪性度神経膠腫, (神経膠芽腫), 転移, 軟膜腫瘍, 原発性中枢神経系リンパ腫は, 発作と関連する傾向がある発作のリスクは, 腫瘍の種類と位置, 病変の数によって左右されるゆっくりと成長する腫瘍, 特にDNETと神経節膠腫は特にてんかん誘発性が高い高悪性度の腫瘍では, 発作の発生率が比較的低い皮質に存在する腫瘍は, 発作を引き起こすリスクが高い前頭葉, 側頭葉, 頭頂葉は, 後頭葉の腫瘍よりもてんかんを引き起こすリスクが高くなる多発性病変は, 単独性病変と比較してリスクが高いテント下腫瘍がてんかんと関連することはまれである
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脳波 (Ictal-Interictal Continuum/Electrographic Seizures)

【Ictal-Interictal Continuum (IIC)】周期性発射もしくは棘徐波が (>1.0 Hz, ≦2.5 Hz) 10秒以上持続, or周期性発射もしくは棘徐波が (>0.5 Hz, ≦1 Hz) 10秒以上持続し, plusもしくはfluctuationを伴う, or片側性のrhythmic delta activityが (>1 Hz), 少なくとも10秒以上持続し, plusもしくはfluctuationを伴う
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脳波 (Lennox-Gastaut syndrome)

Lennox-Gastaut syndromeの記事はこちら発作間欠期縦の双極誘導: 位相反転ははっきりしない. ページ左の波形: 全般性paroxysmal fast activityを示唆ベージ右の波形: 全般性polyspikeを示唆...
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表面筋電図/SEP (BAFME)

良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん (benign adult familial myoclonus epilepsy)常染色体優性遺伝性疾患で成人に発症皮質振戦とよばれる細かいミオクローヌスが特徴的一次体性感覚皮質から生じるN20とP25その後, 中心前野の活性化を反映してN33が続く明確なgiant SEPの定義は存在しなく, 研究によって様々
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発達性/てんかん性脳症・進行性ミオクローヌスてんかん

PMEという症候群は, 背景となる不均質なグループの素因性病因に起因するまれな症候群である.(1)ミオクローヌス(2)進行性の運動障害と認知障害(3)感覚と小脳の徴候(4)背景脳波活動の異常な徐波化が(5)それまで発達や認知機能が正常であった個体に現れることで認識される.光過敏性はPMEの多くの病因に共通する特徴である.家族歴があることがあり,ほとんどの場合, 常染色体潜性だが, 弧発例もある.有病率は地域によって異なり,孤立した地域や血族結婚を好む文化圏で高い.したがって,患者の地理的および民族的背景は,背景にある遺伝的原因を診断する上で重要な情報となる.PME の大部分を占めるのは, ウンフェルリヒト・ルントボルク病 (Unverricht-Lundborg disease,ULD),Lafora (ラフォラ) 病神経セロイドリポフスチン症 (neuronal ceroidlipofuscinosis, NCL), ミコンドリア病 (MERRF, POLG関連疾患, MELAS), シアリドーシスである.
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眼瞼ミオクロニーを伴うてんかん (Epilepsy with Eyelid Myoclonia)

以前はJeavons症候群と知られていた.頻回の眼瞼ミオクロニー, 欠伸を伴うあるいは伴わない, 閉眼や光刺激で誘発, の3つを特徴眼瞼ミオクロニーは, しばしば覚醒直後に最も顕著である顕著に光で誘発される眼瞼ミオクロニー (欠神は伴うことも伴わないこともある) と, 欠神発作やミオクロニー発作をもつ一群がいるこの一群は,発作起始時に顔を光源となる太陽に向けることがあり,日光を求める行動から以前は「ひまわり症候群(sunflower syndrome)」「顕著な光誘発を伴うEEM」と呼ぶことができる.
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脳波 (Electroclinical seizure)

【Electroclinical Seizure (ECSz)】EEGパターンによらずA) 脳波と臨床所見がtime-lockedに関連する, orB) 静注抗発作薬により脳波と臨床所見が改善する
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脳波 (後頭葉てんかん1)

後頭葉てんかんの場合は, end of chainと呼ばれるIEDsを認めることがあります.つまり, O1, O2電極よりもさらに後ろにnegativityがある場合, 通常の縦の双極誘導では位相反転が検出できなくなります.このときは, 下記のような輪っか状のモンタージュ (通称: ポン・デ・リング) が役立ちますまた, 注意深く観察すると, スパイクは後ろから前に向かって, 位相がずれていることも散見します.
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ミオクロニー欠神発作を伴うてんかん/ミオクロニー脱力発作を伴うてんかん

ミオクロニー欠神発作を伴うてんかん: 日単位のミオクロニー欠神発作を呈する. 欠神発作は, 3Hzの律動的な上肢のれん縮を伴い, 発作中の腕の強直性外転と重なる (歯車の動きのように見える). 本症は, IGEと共通の素因性病因を持つと推定.ミオクロニー脱力発作を伴うてんかん: 発作の活動期 (嵐期) には発達の停滞, あるいは退行を示し, 発作がコントロールされると改善する. しばしばわずかな発声を伴い近位筋に影響を及ぼす短いミオクロニーれん縮と, 引き続く非常に短い脱力成分が特徴. 全般性2-6Hz棘徐波, 多棘徐波複合からなる発作間欠時異常が, 2-6秒間のバーストで発生することが多い
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HHE症候群 (片側けいれん・片麻痺・てんかん症候群)

4歳未満の小児の発熱性疾患に伴って発生する焦点間代てんかん重積状態てんかん重積状態発症時の神経画像検査では, 患側半球の浮腫性腫脹を認める.急性期を過ぎると大脳半球が萎縮し, その後, 薬剤抵抗性の焦点起始発作が出現する.焦点てんかん重積状態の後, 数か月から数年, 発作のない期間がある.
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NCSE (脳波検査をすぐにできないとき)

NCSEを疑う所見: けいれん性てんかん重積状態からの移行, 意識減損を伴う運動発作を繰り返す, 意識が変容する, 眼振, 瞳孔異常, 瞬目, 眼球偏位, わずかな運動症状, 顔面ミオクローヌスNCSEのrisk factor: 急性症候性の異常, 急性の代謝障害や敗血症, 高齢, 抗発作薬怠薬, 精神運動発達障害どのタイプのNCSEか判断する (NCSE in comaなど)治療による有害リスクと治療をしないことによるリスクを天秤にかけるけいれん性てんかん重積状態後からのNCSE, NCSE in comaではaggressiveな治療を必要とするNCSEのサブタイプを判断し, aggressiveな治療を行うか判断する脳波の解釈は, 臨床病歴を通して経験豊富な臨床医が行うべきであるNCSEを疑う症例は, EEG検査を行うまで, 治療を遅らせるべきではない.治療を行うことのリスクと行わないことのリスクを判断する必要がある
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フェンフルラミン (フィンテプラ): Lennox-Gastaut症候群

脱力発作に有用と報告されていますが, 全般性強直間代発作にも良さそうです.フェンフルラミンに最も反応した発作サブタイプは, 全般性強直間代発作 (263例中120例 [46%]) フェンフルラミン0.7 mg/kg/日群では45.7%減少フェンフルラミン0.2 mg/kg/日群では58.2%減少治療中に最もよくみられた有害事象は, 食欲低下 (59例 [22%]), 傾眠 (33 例 [13%]), 疲労 (33 例 [13%])弁膜症, 肺動脈性高血圧症なし
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発作開始前α波減衰 (attenuation) は側方化の判断に役立つ

側頭葉てんかんにおいて, 発作前片側アルファ波減衰は, 84.6%で側方性の評価に役立つ.平均して発作時脳波変化開始の5.9±2.6秒前に発生TLEの一部では, 視床を介する視床-側頭後頭葉ネットワーク機能の異常を示唆.
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てんかん重積状態に対するフェノバルビタール (ノーベルバール)

成人科ではあまり使用機会はありませんが, すでに他剤ASM服薬患者で, ミダゾラムに抵抗性の場合は選択肢となりうる薬剤です.低血圧, 不整脈, 呼吸抑制に注意が必要ですが, 忍容性や抗発作効果は高いようです.日本神経学会てんかんガイドライン2018ではセカンドラインに含まれています.鎮静作用は少なく, てんかん重積状態においてはロラゼパムと同等かそれ以上の効果があるベンゾジアゼピン抵抗性てんかん重積状態ではバルプロ酸よりも大幅に優れているフェノバルビタールは, 高用量のプロトコルで使用しても忍容性が良好であることが示唆されている.
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焦点運動/非運動発作の症候まとめ

自動症 (口部)内側側頭葉, 島弁蓋部, 扁桃体, 前部帯状回, 後部帯状回, 上内側前頭葉海馬起始では口部自動症が早期に発症し, 海馬外側頭葉起始では後期に発生自動症 (四肢)新皮質側頭葉てんかんよりも内側側頭葉てんかんでより頻繁に見られる前頭葉てんかんの自動症は, 側頭葉てんかんの自動症よりも範囲が広く, より速い動き自動症 (性器)前部帯状回, 側頭葉, 前頭葉 先行する前兆, 片側性の手の自動症, および/または発作時の尿意切迫感と関連してよく見られる
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抗発作薬の副作用 (精神)

時々, LEV・PER (攻撃性や易怒性), TPM・ZNS (言語障害や記憶障害) が悪さをしていることがあるので調べてみました.気分・精神症状good: VPA, rufinamide, LTG, cannabidiolbad: TPM, LEV, BRV, ZNS, PER, vigabatrine, bromide行動症状good: LTGbad: TPM, LEV, ZNS, PER, bromide, BRV, stiripentol認知障害good: cannabidiol, fenfluramine, LEV?, BRV?, LTG, vigabatrine, rufinamide, LCMbad: TPM, ZNS睡眠good: cannabidiol?, PER, pregabalin, CLBbad: LTG
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てんかん問診のアルゴリズム

Red flags: 皮膚が突然青白くなる, 排尿または排便直後の意識消失, 10秒未満の失神, 発作が10分以上続き発作中は目を閉じている, 重度の発作前頭痛, 転倒エピソード (起立性, 咳嗽後, 疼痛後)MRI: 灰白質病変があるか?唇を鳴らしたり噛んだりする: 発作中に唇を鳴らしたり, 噛んだりする動作がありましたか?夜間発作のみ: 患者は夜間のみに発作を起こしますか? (少なくとも2年間に5 回以上)発症年齢21歳以上: 最初の発作は21歳以上で発生しましたか?一点凝視20秒未満: 発作後の混乱を伴わずに, 意識障害を伴う凝視から構成されていましたか?Jark: 突然の不規則なぴくつきが, 単独または短時間の連続でしたか?
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外来脳波検査の推奨 (ILAE)

少なくとも1台のカメラを使用して録画することを強く推奨.5 kΩ未満のインピーダンス値が推奨推奨される高周波フィルター設定は70 Hz, 低周波フィルター設定は0.5 Hz (時定数0.3 s)推奨される成人の記録は7 μV/mm, 小児は10 μV/mm判読において, これらの調整, 電位マップ表示, 注釈をいれることは推奨される.若年性ミオクロニーてんかんが疑われる患者には, 朝の時間帯SeLECTや乳児てんかん性スパズム症候群が疑われる患者には, 睡眠記録を優先乳児てんかん性スパズム症候群が疑われる場合は, てんかん性スパズムを記録する可能性を高めるために, 覚醒後も10分間記録を延長する過換気, 光刺激は禁忌がない限り, ルーチンで行うことを推奨過換気禁忌: 鎌状赤血球症, もやもや病, 動脈瘤を含む脳血管奇形, 過去 3 か月以内の脳血管イベント, 頭蓋内圧亢進, 心筋梗塞, 不整脈, 重篤な心疾患, 重篤な肺疾患, 妊婦光刺激禁忌: 妊婦
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脳波レポート記載 メモ

脳波レポート記載のための用語まとめです.
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SEEG planningにおける頭皮上脳波

頭皮上脳波を判読する際は, どこから由来し, どのように伝播した結果であることを考えることが重要であると考えています.このことは, SEEGのプランニングにも役立ちます.Ⅰ型spike: 垂直 (上下方向) に向いた双極子. 内側側頭葉にてんかん焦点を示すⅡ型spike: 水平方向を指す双極子. 新皮質の特徴.Ⅰ型spikeは, 扁桃体海馬構造のみをターゲットとする内側側頭葉てんかん (MTLE) 仮説を支持するⅡ型spikeは, 複数の電極を使用する外側アプローチが必要になる. 優位半球では言語をマッピングするのに役立つ
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全般てんかんの焦点性脳波異常と発作症状2

最も多かった側方徴候は, head version (66.7%)IGEでも, 発作時脳波で焦点起始は13%に存在する.全般性IEDsをもつ患者で, 焦点性IEDsがない, もしくは焦点IEDsがあっても発作時脳波起始と一致しない場合は, 96.6%の精度で全般てんかんと焦点てんかんの鑑別が可能
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バルプロ酸とカルニチン欠乏

重症心身障害や高齢者にバルプロ酸を使用している場合に, カルニチンのチェックを忘れてしまいがちなのでまとめました.他にも, 先天代謝異常症患者, 腹膜透析や血液透析, 経管栄養, ピボキシル基含有抗菌薬投与患者 (メイアクト, フロモックスなど), 抗がん剤, 肝硬変, 筋ジストロフィー, ALSなどでもリスクが増します.
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SeLEAS (自律神経発作/Panayiotopoulos症候群) とSeLECTS (中心側頭部棘波/BECT)

SeLEASは, 以前Panayiotopoulos 症候群や早期発症良性後頭葉てんかんとして知られた. 幼児期に発症. しばしば遷延する焦点自律神経発作を特徴さまざまな部位の高振幅 (200μV超) な焦点性棘波, 睡眠で活性化. 多くの患者で発作は少なく, 25%で発作は一回のみ. てんかんは自然終息性で, 通常は発症から数年以内に寛解. 平均罹患期間は約3年.SeLECTS: 自然終息性てんかん症候群. 最も頻度の高いSeLFE. 発作は短時間であることが多い. 典型的には咽頭・舌および片側顔面下部の焦点間代または強直活動を伴う. 眠気や睡眠で活性化される高振幅な中心側頭部の鋭徐波複合. 発作は思春期までに停止する. 通常4〜10歳. 熱性けいれんの既往が5〜15%. 焦点起始発作の特徴的症候:(i) 舌, 口唇, 歯肉および頬内側の一側性のしびれまたは知覚異常を伴う体性感覚症状(ii) 口顔面の運動徴候(iii) 発語停止(iv) 流涎非定型欠神発作, 焦点脱力発作, 陰性ミオクローヌスの発生は, EE-SWASへの進展を示唆眠気や睡眠で活性化する高振幅 (頂底間200μV超) な中心側頭部鋭徐波複合は診断に必須
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アメリカ臨床神経生理学会の推奨モンタージュ

ガイドラインでも推奨されていますが, bipolar montageとreferential montageの両方での比較が大事です.側頭葉てんかん疑いでは, Cz, AVでも評価する.前頭部焦点の場合は, 耳朶でも評価する.Fz, Cz, Pzや, P3, P4電極を間引かれて測定されているも散見しますが, 21個の電極すべて使用することも推奨されています.
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DEE-SWASとEE-SWAS (睡眠時棘徐波活性化)

睡眠時棘徐波活性化を示す発達性てんかん性脳症と睡眠時棘徐波活性化を示すてんかん性脳症(developmental and epileptic encephalopathy with SWAS and epileptic encephalopathy with SWAS)DEE-SWASおよびEE-SWASは, 睡眠時電気的てんかん重積状態 (ESES), 退行が特徴的EE-SWASは, 発症前の発達が正常で, ノンレム睡眠中の緩徐な (1.5-2Hz) 棘徐波複合の活性化DEE-SWASは, 既存の神経発達症を持つ患者に, 睡眠中の棘徐波複合の顕著な活性化SeLECTsやSeLEASなどの特定の焦点てんかん症候群や, 他の構造的焦点てんかんは, 一過性または長期的にEE-SWAS に進展する可能性がある.構造的病変がある患者でも, 臨床発作は通常思春期頃に寛解する脳波上のSWASパターンもまた, 通常は青年期までに消失する
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正常亜型のスパイク (wicket, SSS, 14 and 6 Hz positive)

有病率6.8~15%主に成人, 年齢中央値は28歳 (範囲1~89歳)単相性の弓状または鋭い輪郭単一または0.5~3秒間続く連続6~11Hz, 60~200 μV中側頭部で最大片側だけに見られることが多いが, 両側もある. 左側が多い.眠気や浅い睡眠 (ステージ I および II) が多く, 覚醒時やレム睡眠時にも見られる.単発の場合, てんかんと誤診される
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正常亜型の徐波 (RMTD, SREDA)

正常亜型有病率6%年齢中央値30歳 (範囲 3~80 歳) 主に若い成人に見られるが, 小児にも見られる中側頭部で最大律動的, 中~高電位, 4~7 Hzのシータ帯域傍矢状面および後側頭部に広がる場合がある片側または独立して両側に見られる場合がある弓状, ノッチ, 平坦などの形態で, 輪郭がはっきりしている場合がある
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島葉てんかん

シルビウス葉周囲に広がる島葉の発作では, 最初に喉の収縮として現れる.次に, 口周囲および片側感覚症状が続き, 最後に片側の運動症状が現れる.島葉の発作は, 側頭葉, 前頭葉に広がり, これらの領域で発生する発作のように現れることがある.島は脳の奥深くに位置するため, 発作間欠期および発作時脳波は変動しやすい.対側の島や他の脳領域に, 発作が急速に広がる可能性がある
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全般てんかんの焦点性脳波異常と発作症状1

発作症候の側方化の判断は, 評価者によって異なることがあり, ばらつきが多いです.非対称性の強直発作は, 焦点てんかんの特異度が高そうですCase 2のように, 病歴は焦点てんかんを示唆することはあっても, IEDsと発作時脳波から全般てんかんと診断できることもあります.
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焦点てんかんと全般てんかんの脳波: review

焦点てんかんの二次性同期, 全般てんかんとのIEDsの鑑別は, 下記を含めた包括的な判断が必要です.焦点てんかん: 発作間欠期徐波は, 焦点てんかんのIEDsと同じ領域ダイポールは一定IEDsは, 睡眠で賦活化全般てんかん:IEDsは, 覚醒時に賦活化. VPAで断片化や消失する過換気賦活でIEDsが誘発されうる
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Dravet (ドラベ) 症候群

正常乳児の生後12か月以前に, 発熱 (特に微熱) を伴う遷延性焦点間代(片側間代)発作があれば強く疑う.焦点間代 (片側間代) 発作がしばしば左右交代性に起こる特徴的なかがみ歩行 (crouch gait) などの歩行異常てんかん重積状態は5歳以前に多く, 特に体調不良や発熱に伴って, 成人期にも出現することがあるナトリウムチャネル阻害剤の使用により増悪するIEDsは, しばしば焦点性, 多焦点性, 全般性ドラベ症候群の診断には, 典型的な臨床的特徴が必要であり, 遺伝子バリアントのみでは判断できない.遺伝子バリアントがなくとも本症候群の臨床診断を除外すべきではない乳児期経過が不明な成人は, 遺伝子診断を行う.
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焦点てんかんの脳波は焦点源で異なる (二次性両側同期)

焦点ごとの違いと, 二次性同期化について調べてみました焦点の場所により脳波の特徴が異なり, どのように伝播していくか, 脳波でイメージすることが大切です.焦点てんかんの二次性同期化と, 全般てんかんのIEDsの鑑別は, 信号源の推定と方向が役立ちそうです.
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発作時脳波はreferential montageも大事

陰性電位が側頭部に均等に分布していたため, 縦の双極誘導では明らかにならなかった.この症例では, 発作にEEGの相関がないと結論付ける前に, referential montageでも検討する必要があった.
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電位マップの解釈はどう行う?

IEDsの始まりからピークまで, どのようにnegativityが分布するかを確認することで, 発生源を推定することに役立ちそうです.きれいにダイポールを描かないケースもあるので, 適切な波形を選択することも重要です.
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脳波は電位マップも大事2

まずは, negativity (青), positivity (赤) がきれいに描かれていることを確認します.次に, 青と赤の頂点間のベクトルをイメージします.ベクトル上に焦点があることを推定できます.
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早期乳児発達性てんかん性脳症 (EIDEE)

生後3ヶ月以内にてんかんを発症姿勢, 緊張, 運動など神経学的診察所見の異常時間経過とともに明らかになる中等度から重度の発達障害バーストサプレッションパターン, びまん性徐波化, 多焦点性放電などの発作間欠期脳波の異常神経画像, 代謝, 遺伝学的検査により, ~80%の症例で正確な病因の分類が可能
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てんかんにアセタゾラミドは有効?

アセタゾラミド (ダイアモックス) は炭酸脱水酵素阻害剤ですが, ときどき抗発作薬として有用と聞くことがあります.そのエビデンスについて調べてみました.酸感知イオンチャネルに反応することで, NMDAやGABAなどの神経伝達物質や受容体に影響し, 神経細胞の活動を変化させる.このことが, 神経炎症の調整と, HFOを減衰させることで, 発作閾値が上昇すると考えられ