週単位で悪化する焦点運動発作群発, 群発時に発熱を伴う, オリゴクローナルバンド陽性例がいたので調べてみました
日本小児神経学会ガイドライン 2016

【NORSE】
てんかんや神経疾患の既往のない人に生じた難治性けいれん性てんかん重積状態で明らかな器質的・中毒性・代謝性疾患を認めない臨床的状態
【FIRES】
NORSEの中で先行する熱性疾患を伴う一型.
【AERRPS (acute encephalitis with refractory, repetitive partial seizures)】
FIRESとほぼ同義だが, 自己抗体陽性例などを除いた潜因性 (cryptogenic) FIRESがAERRPSに相当すると考えられている.
幼児・学童期にピークがあり, 男児に多い傾向.
しばしば先行感染あり.
平均5日間の潜伏期を経て神経症状が出現.
初発神経症状はほぼ例外なくけいれんで, 必ず発熱を伴う.
ピーク時には5-15分間隔で極めて頻発して群発型けいれん性てんかん重積状態となる.
急性期は一般的に数週間から数ヶ月持続する
【治療】
極めて難治で多くのASMに抵抗性.
最も有効とされてきたのはバルビツレート持続静注だが, 通常の投与量では効果が乏しく, 平均4 mg/kg/h.
脳波所見でburst suppressionを呈する深度の鎮静が必要となる.
ミダゾラムはバルビツレートに比べて劣る.
バルビツレート持続により長期予後を改善するというエビデンスはなく, 投与量と投与期間を最小限に留める努力が必要とされる.
急性期にもケトン食で比較的短期間で発作を抑制する報告もあり, 早い段階で一度は試みるべき治療である.
TPM, 臭化カリウム, LEV, リドカインも比較的有効とされる.
免疫治療に関しては, 具体的な投与レジメンは確立されていない.
ステロイドパルス, IVIg, タクロリムスなどが試みられている.
【後遺症】
知的障害の合併率 60-74%.
半数近くが長期臥床となるなど予後不良.
急性期死亡率 10-16%
【回復期】
大脳皮質のびまん性萎縮と海馬硬化
https://www.childneuro.jp/uploads/files/about/AE2016GL/09ae2023_7general.pdf
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