“Consensus statement on continuous EEG in critically ill adults and children, part I: indications.” Journal of clinical neurophysiology : official publication of the American Electroencephalographic Society vol. 32,2 (2015)


持続脳波検査で発作を記録する原因別割合: 成人, 小児
けいれん性てんかん重積状態後: 48%, 26~57%
動脈瘤性くも膜下出血: 発作 10~19%, NCSE 3~13%
脳出血: 16~23%, 11~100%
中度から重度の外傷性脳損傷: 18~33%, 14~70%
中枢神経系感染症: 10~33%, 16~100%
最近の脳神経外科手術既往: 23%, 71%
脳腫瘍: 発作 23~37%, NCSE 9 ~ 12%, 19~66%
急性虚血性脳卒中: 6~27%, 20~71%
心停止, 呼吸停止後の低酸素性虚血性障害 (低体温療法にかかわらず): 10~59%, 16~79%
敗血症性脳症: 32%, 58%
ECMO: 21%
てんかん関連: 33~39%, 11~71%
米国臨床神経生理学会の集中治療持続脳波タスクフォースの推奨
脳虚血リスクが高い患者の虚血特定
持続鎮静による昏睡療法中
心停止後の予後判定
【持続脳波検査の適応】
けいれん性てんかん重積状態後:
GCSE後24時間のCCEEG中に, 非けいれん性発作は48%, NCSEは14%で記録
患者が10分以内に意識状態の改善を示さない場合, または発作後30分以上意識障害が残る場合は, CCEEGを検討する必要がある
18 歳未満の患者は, 成人よりもNCSEのリスクが高い可能性がある
精神状態変化:
急性脳損傷が判明していないのに, 精神状態が変動したり, 原因不明の精神状態の変化がみられる場合
精神状態の異常には, 興奮, 無気力, 失語症などの固定または変動する神経学的欠損, 意識障害, 昏睡など
非けいれん発作は, 臨床発作歴のない原因不明の昏睡, または意識変容患者の8~10%に報告
微細な臨床症状:
1) 微細な顔面, 手足のけいれん, 眼振, 眼球偏位, 咀嚼, ミオクローヌス, 振戦など
2) 原因不明の無呼吸, 頻脈. 顔面紅潮, 血圧変化などの発作性自律神経発作
低体温療法中:
成人心停止後患者では, 短時間 (30 分) EEG がCCEEGと同等
治療の有効性評価:
CCEEGは, 発作が少なくとも24時間制御されるまで記録する必要がある
持続鎮静中は, 発作が再発することがあるため, バースト抑制時の間欠的なモニタリングだけでは, 完全な発作制御を確認するのに不十分な場合がある
持続鎮静中止後も, 少なくとも24時間はCCEEGが継続されることがよくある
【EEG pitfall】
深部焦点の発作を特定できない場合がある
単純部分発作の約21%のみが頭皮EEGで変化を示す
イベント中に脳波変化がないことは, 発作を完全に否定できるわけではない.
CCEEGの長さは, 少なくとも24時間の記録が推奨されるが, 状況により異なる
通常30~60分のEEG 記録では, 最終的に発作が記録される患者のうち, 45~58%のみで非けいれん発作が特定される
非けいれん発作の約80~95%は, 24~48時間以内に特定できる
昏睡, 周期性放電がある患者, 持続鎮静されている患者では, 非けいれん発作が遅れて発生する可能性がある.
より長期間 (48時間以上) が必要になる場合がある
EEGの最初2時間以内にてんかん性放電がない患者では, その後72時間以内に発作を起こす確率は5%未満
[Herman, Susan T et al. “Consensus statement on continuous EEG in critically ill adults and children, part I: indications.” Journal of clinical neurophysiology : official publication of the American Electroencephalographic Society vol. 32,2 (2015): 87-95. doi:10.1097/WNP.0000000000000166]
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