症候性後頭葉てんかんのIEDs:
厳格に後頭部にほとんど認めない.
ほとんどは後側頭部に限局する.
後頭部に認めるのは1/5以下である.
特発性後頭葉てんかんのIEDs:
後頭部と後頭部外スパイクの頻度が高く, 多形なスパイクの頻度は低い.
光過敏性後頭葉てんかんのIEDs:
spike, polyspikeは後頭部に明らかであり, 後頭部に強調される全般性spike, polyspikeもみとめる.
光線過敏症は両群の3分の1にみられる.
後頭葉てんかんの場合は, end of chainと呼ばれるIEDsを認めることがあります.
つまり, O1, O2電極よりもさらに後ろにnegativityがある場合, 通常の縦の双極誘導では位相反転が検出できなくなります.
このときは, 下記のような輪っか状のモンタージュ (通称: ポン・デ・リング) が役立ちます

また, 注意深く観察すると, スパイクは後ろから前に向かって, 位相がずれていることも散見します.

縦の双極誘導:
位相反転は明らかではない
緑の線は, O1のspike peakに合わせてあり, 位相は後ろから前にずれている

ポン・デ・リングモンタージュ:
T5-O1で位相反転が確認できる.
緑の線は, O1のspike peakに合わせてあり, 位相は後ろから前にずれている

Referential montage (耳朶):
緑の線は, O1のspike peakに合わせてあり, 位相は後ろから前にずれている
一見, 左前頭部のspikeのようにみえるが, 左後頭部が先行している

Referential montage (average):
緑の線は, O1のspike peakに合わせてあり, 位相は後ろから前にずれている
T5, O1に最大のnegativityを認める

Referential montage (SD):
緑の線は, O1のspike peakに合わせてあり, 位相は後ろから前にずれている
T5に最大のnegativityを認める

Referential montage (Cz):
緑の線は, O1のspike peakに合わせてあり, 位相は後ろから前にずれている
T5, O1に最大のnegativityを認める

縦の双極誘導:
位相反転は明らかではないが, 左後頭部優位にspike and wave complexを認める

ポン・デ・リングモンタージュ:
T5で位相反転が確認できる.
緑の線は, O1のspike peakに合わせてあり, 位相は後ろから前にずれている

Referential montage (耳朶):
緑の線は, O1のspike peakに合わせてあり, 位相は後ろから前にずれている
一見, 左前頭部のspikeのようにみえるが, 左後頭部が先行している

Referential montage (average):
緑の線は, O1のspike peakに合わせてあり, 位相は後ろから前にずれている
T5, O1に最大のnegativityを認める

Referential montage (SD):
緑の線は, O1のspike peakに合わせてあり, 位相は後ろから前にずれている
T5に最大のnegativityを認める

Referential montage (Cz):
緑の線は, O1のspike peakに合わせてあり, 位相は後ろから前にずれている
T5, O1に最大のnegativityを認める
【まとめ】
後頭葉てんかんの場合は, end of chainと呼ばれるIEDsを認めることがある
つまり, O1, O2電極よりもさらに後ろにnegativityがある場合, 通常の縦の双極誘導では位相反転が検出できなくなる
このときは, 輪っか状のモンタージュ (通称: ポン・デ・リング) が役立つ
また, 注意深く観察すると, スパイクは後ろから前に向かって, 位相がずれていることも散見する
【おまけ】
発作時脳波



縦の双極誘導:
左中後側頭部, 左後頭部からevolutionしている
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