2024-11

てんかん

HHE症候群 (片側けいれん・片麻痺・てんかん症候群)

4歳未満の小児の発熱性疾患に伴って発生する焦点間代てんかん重積状態てんかん重積状態発症時の神経画像検査では, 患側半球の浮腫性腫脹を認める.急性期を過ぎると大脳半球が萎縮し, その後, 薬剤抵抗性の焦点起始発作が出現する.焦点てんかん重積状態の後, 数か月から数年, 発作のない期間がある.
てんかん

NCSE (脳波検査をすぐにできないとき)

NCSEを疑う所見: けいれん性てんかん重積状態からの移行, 意識減損を伴う運動発作を繰り返す, 意識が変容する, 眼振, 瞳孔異常, 瞬目, 眼球偏位, わずかな運動症状, 顔面ミオクローヌスNCSEのrisk factor: 急性症候性の異常, 急性の代謝障害や敗血症, 高齢, 抗発作薬怠薬, 精神運動発達障害どのタイプのNCSEか判断する (NCSE in comaなど)治療による有害リスクと治療をしないことによるリスクを天秤にかけるけいれん性てんかん重積状態後からのNCSE, NCSE in comaではaggressiveな治療を必要とするNCSEのサブタイプを判断し, aggressiveな治療を行うか判断する脳波の解釈は, 臨床病歴を通して経験豊富な臨床医が行うべきであるNCSEを疑う症例は, EEG検査を行うまで, 治療を遅らせるべきではない.治療を行うことのリスクと行わないことのリスクを判断する必要がある
てんかん

フェンフルラミン (フィンテプラ): Lennox-Gastaut症候群

脱力発作に有用と報告されていますが, 全般性強直間代発作にも良さそうです.フェンフルラミンに最も反応した発作サブタイプは, 全般性強直間代発作 (263例中120例 [46%]) フェンフルラミン0.7 mg/kg/日群では45.7%減少フェンフルラミン0.2 mg/kg/日群では58.2%減少治療中に最もよくみられた有害事象は, 食欲低下 (59例 [22%]), 傾眠 (33 例 [13%]), 疲労 (33 例 [13%])弁膜症, 肺動脈性高血圧症なし
てんかん重積状態

ヘルペス脳炎 (髄液細胞数正常・非典型的なMRI所見)

髄液細胞数正常のヘルペス脳炎はめずらしくなさそうです非典型的なMRI所見例も存在します.すべての患者で異常な脳波所見あり.髄液細胞数正常例は22.2%.94.1%に脳MRI検査で異常を認めるが, 非典型例も存在する髄液所見にかかわらず脳炎を疑ったら, まずはアシクロビルは行うべきと考えます.
てんかん

発作開始前α波減衰 (attenuation) は側方化の判断に役立つ

側頭葉てんかんにおいて, 発作前片側アルファ波減衰は, 84.6%で側方性の評価に役立つ.平均して発作時脳波変化開始の5.9±2.6秒前に発生TLEの一部では, 視床を介する視床-側頭後頭葉ネットワーク機能の異常を示唆.
てんかん

てんかん重積状態に対するフェノバルビタール (ノーベルバール)

成人科ではあまり使用機会はありませんが, すでに他剤ASM服薬患者で, ミダゾラムに抵抗性の場合は選択肢となりうる薬剤です.低血圧, 不整脈, 呼吸抑制に注意が必要ですが, 忍容性や抗発作効果は高いようです.日本神経学会てんかんガイドライン2018ではセカンドラインに含まれています.鎮静作用は少なく, てんかん重積状態においてはロラゼパムと同等かそれ以上の効果があるベンゾジアゼピン抵抗性てんかん重積状態ではバルプロ酸よりも大幅に優れているフェノバルビタールは, 高用量のプロトコルで使用しても忍容性が良好であることが示唆されている.