正常亜型の徐波 (RMTD, SREDA)

【rhythmic midtemporal theta (bursts) of drowsiness: RMTD】

正常亜型, 有病率6%

年齢中央値30歳 (範囲3~80歳). 主に若い成人に見られるが, 小児にも見られる

中側頭部で最大

律動的, 中~高電位, 4~7 Hzのシータ帯域

傍矢状面および後側頭部に広がる場合がある

片側または独立して両側に見られる場合がある

弓状, ノッチ, 平坦などの形態で, 輪郭がはっきりしている場合がある

持続時間は数秒から数分までさまざま. まれに140分長く続くことがある.

眠気や浅い睡眠中がほとんど

覚醒時, ノンレム睡眠, レム睡眠中にも見られることがある.

信号源は下側頭溝

単形性でevolutionしないことがてんかん発作との鑑別


(A) 縦の双極誘導

(B) referential (AV)

律動性シータ (6 Hz), 左優位でノッチ状の形態.

【subclinical rhythmic electrographic discharges of adults: SREDA】
まれな正常亜型, 有病率0.03%

てんかんと誤診されやすい. ベンゾジアゼピンテストでも消失する.

成人 (主に高齢者) に見られる. 小児や青年はまれ

鋭い輪郭の単形性(律動的)正弦波

非発展性の律動性シータ

持続時間は通常20秒から数分間

典型的なSREDAは広範囲に分布し, 側頭部, 頭頂部で最大. まれに, 前頭部

過換気によって引き起こされることがある

典型的には, リラックスした覚醒状態や眠気のある状態. 睡眠中の報告もある.

(A) 縦の双極誘導

(B) AV

(C) SD

5~6 Hzの律動的な鋭い輪郭. 70秒間続き, evolutionなし.

【temporal slowing in elderly subjects (benign temporal delta transients in the elderly)】
正常亜型

有病率は2.89%で, 年齢中央値は68歳

デルタ波は左側頭部領域で最も多く, 次いで両側部, 右側頭部

散発的に発生し, 形態は通常丸みを帯びている.

電位は通常70μV未満

眠気のときによく見られ, 精神的な覚醒や目を開けることで弱まり, 過換気によって増強

(A) 縦の双極誘導

(B) AV

64歳, 左側頭部の徐波.

[Amin U, Nascimento FA, Karakis I, Schomer D, Benbadis SR. Normal variants and artifacts: Importance in EEG interpretation. Epileptic Disord. 2023;25(5):591-648. doi:10.1002/epd2.20040]

【まとめ】

RMTD:

中央値30歳.

中側頭部で最大

弓状, ノッチ, 平坦などの形態

眠気や浅い睡眠中

SREDA:

主に高齢者

鋭い輪郭の単形性(律動的)正弦波

側頭部, 頭頂部で最大

通常20秒から数分間

リラックスした覚醒状態や眠気

脳波 (midline theta rhythmとFmθ)の記事はこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました