全般てんかんの焦点性脳波異常と発作症状1

ときどき全般てんかんでも側方徴候を認めることもありますが, どのくらいか気になったので調べてみました.

全般てんかんの焦点性脳波異常と発作症状2の記事はこちら

Focal EEG abnormalities and focal ictal semiology in generalized epilepsy. Seizure. 2020

特発性全般てんかんの発作間欠期脳波

左: 焦点性の発作間欠期非てんかん性異常とてんかん性異常

右: 焦点性の発作間欠期てんかん性異常

大体10%前後でfocal IEDsを認めます

特発性全般てんかんの発作時症候

左: 偏向

中: figure of 4

右: focalな間代もしくは強直

報告によってばらつきが多く, 評価者によっても解釈が異なる可能性があります

Niazらによる結果 (青: IGE, オレンジ: TLE)

左: focalな間代もしくは強直

左中: 偏向発作

右中: 非対称性強直

右: 非対称もしくは非同期の間代相

非対称性の強直発作は, 焦点てんかんの特異度が高そうです

Case 1
11歳: CAE

3Hzの全般性棘徐波

fragmentation

Case 2
26歳

病歴: 約30秒から 1 分間じっと見つめて反応しないことがある. じっと見つめている間に, 反復的な咀嚼運動をしていたこともある. 両側の強直姿勢, 約1分間の両側手足のけいれんがある. 発作中, 頭部は片側に向くことがあるがどちらかはわからない.

VEEGで, 全般性てんかんと診断され, LTGで良好.

A: leading pointの欠如 (青)

B: lead in は右 (赤)

C: lead in は左 (緑)

意識減損→左偏向→左顔面強直→両側強直間代発作

発作時脳波

全般起始の脳波変化から, 15秒後に臨床上の発作

両側前頭部の律動性デルタ→右後頭領域でシータアルファ(ノコギリ様)

ページの終わりに向かって両半球に広がる.

EKGで, ページの最後の3秒間に体幹の筋肉が関与していることを示唆

発作の終わり

左半球優位に高い両側性の放電

右半球に筋電図アーティファクトを生成している可能性あり, 非対称性の間代と相関

発作時の焦点症状のみの判断は, 全般てんかんを焦点てんかんと誤診する可能性がある

[Fernandez-Baca Vaca G, Park JT. Focal EEG abnormalities and focal ictal semiology in generalized epilepsy. Seizure. 2020 Apr;77:7-14. doi: 10.1016/j.seizure.2019.12.013. Epub 2019 Dec 20. PMID: 31882201.]

【まとめ】

発作症候の側方化の判断は, 評価者によって異なることがありばらつきが多いです.

非対称性の強直発作は, 焦点てんかんの特異度が高そうです

Case 2のように, 病歴は焦点てんかんを示唆することはあっても, IEDsと発作時脳波から全般てんかんと診断できることもあります.

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