2024-10

てんかん

焦点運動/非運動発作の症候まとめ

自動症 (口部)内側側頭葉, 島弁蓋部, 扁桃体, 前部帯状回, 後部帯状回, 上内側前頭葉海馬起始では口部自動症が早期に発症し, 海馬外側頭葉起始では後期に発生自動症 (四肢)新皮質側頭葉てんかんよりも内側側頭葉てんかんでより頻繁に見られる前頭葉てんかんの自動症は, 側頭葉てんかんの自動症よりも範囲が広く, より速い動き自動症 (性器)前部帯状回, 側頭葉, 前頭葉 先行する前兆, 片側性の手の自動症, および/または発作時の尿意切迫感と関連してよく見られる
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抗発作薬の副作用 (精神)

時々, LEV・PER (攻撃性や易怒性), TPM・ZNS (言語障害や記憶障害) が悪さをしていることがあるので調べてみました.気分・精神症状good: VPA, rufinamide, LTG, cannabidiolbad: TPM, LEV, BRV, ZNS, PER, vigabatrine, bromide行動症状good: LTGbad: TPM, LEV, ZNS, PER, bromide, BRV, stiripentol認知障害good: cannabidiol, fenfluramine, LEV?, BRV?, LTG, vigabatrine, rufinamide, LCMbad: TPM, ZNS睡眠good: cannabidiol?, PER, pregabalin, CLBbad: LTG
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てんかん問診のアルゴリズム

Red flags: 皮膚が突然青白くなる, 排尿または排便直後の意識消失, 10秒未満の失神, 発作が10分以上続き発作中は目を閉じている, 重度の発作前頭痛, 転倒エピソード (起立性, 咳嗽後, 疼痛後)MRI: 灰白質病変があるか?唇を鳴らしたり噛んだりする: 発作中に唇を鳴らしたり, 噛んだりする動作がありましたか?夜間発作のみ: 患者は夜間のみに発作を起こしますか? (少なくとも2年間に5 回以上)発症年齢21歳以上: 最初の発作は21歳以上で発生しましたか?一点凝視20秒未満: 発作後の混乱を伴わずに, 意識障害を伴う凝視から構成されていましたか?Jark: 突然の不規則なぴくつきが, 単独または短時間の連続でしたか?
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外来脳波検査の推奨 (ILAE)

少なくとも1台のカメラを使用して録画することを強く推奨.5 kΩ未満のインピーダンス値が推奨推奨される高周波フィルター設定は70 Hz, 低周波フィルター設定は0.5 Hz (時定数0.3 s)推奨される成人の記録は7 μV/mm, 小児は10 μV/mm判読において, これらの調整, 電位マップ表示, 注釈をいれることは推奨される.若年性ミオクロニーてんかんが疑われる患者には, 朝の時間帯SeLECTや乳児てんかん性スパズム症候群が疑われる患者には, 睡眠記録を優先乳児てんかん性スパズム症候群が疑われる場合は, てんかん性スパズムを記録する可能性を高めるために, 覚醒後も10分間記録を延長する過換気, 光刺激は禁忌がない限り, ルーチンで行うことを推奨過換気禁忌: 鎌状赤血球症, もやもや病, 動脈瘤を含む脳血管奇形, 過去 3 か月以内の脳血管イベント, 頭蓋内圧亢進, 心筋梗塞, 不整脈, 重篤な心疾患, 重篤な肺疾患, 妊婦光刺激禁忌: 妊婦
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脳波レポート記載 メモ

脳波レポート記載のための用語まとめです.
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SEEG planningにおける頭皮上脳波

頭皮上脳波を判読する際は, どこから由来し, どのように伝播した結果であることを考えることが重要であると考えています.このことは, SEEGのプランニングにも役立ちます.Ⅰ型spike: 垂直 (上下方向) に向いた双極子. 内側側頭葉にてんかん焦点を示すⅡ型spike: 水平方向を指す双極子. 新皮質の特徴.Ⅰ型spikeは, 扁桃体海馬構造のみをターゲットとする内側側頭葉てんかん (MTLE) 仮説を支持するⅡ型spikeは, 複数の電極を使用する外側アプローチが必要になる. 優位半球では言語をマッピングするのに役立つ
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全般てんかんの焦点性脳波異常と発作症状2

最も多かった側方徴候は, head version (66.7%)IGEでも, 発作時脳波で焦点起始は13%に存在する.全般性IEDsをもつ患者で, 焦点性IEDsがない, もしくは焦点IEDsがあっても発作時脳波起始と一致しない場合は, 96.6%の精度で全般てんかんと焦点てんかんの鑑別が可能
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バルプロ酸とカルニチン欠乏

重症心身障害や高齢者にバルプロ酸を使用している場合に, カルニチンのチェックを忘れてしまいがちなのでまとめました.他にも, 先天代謝異常症患者, 腹膜透析や血液透析, 経管栄養, ピボキシル基含有抗菌薬投与患者 (メイアクト, フロモックスなど), 抗がん剤, 肝硬変, 筋ジストロフィー, ALSなどでもリスクが増します.
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SeLEAS (自律神経発作/Panayiotopoulos症候群) とSeLECTS (中心側頭部棘波/BECT)

SeLEASは, 以前Panayiotopoulos 症候群や早期発症良性後頭葉てんかんとして知られた. 幼児期に発症. しばしば遷延する焦点自律神経発作を特徴さまざまな部位の高振幅 (200μV超) な焦点性棘波, 睡眠で活性化. 多くの患者で発作は少なく, 25%で発作は一回のみ. てんかんは自然終息性で, 通常は発症から数年以内に寛解. 平均罹患期間は約3年.SeLECTS: 自然終息性てんかん症候群. 最も頻度の高いSeLFE. 発作は短時間であることが多い. 典型的には咽頭・舌および片側顔面下部の焦点間代または強直活動を伴う. 眠気や睡眠で活性化される高振幅な中心側頭部の鋭徐波複合. 発作は思春期までに停止する. 通常4〜10歳. 熱性けいれんの既往が5〜15%. 焦点起始発作の特徴的症候:(i) 舌, 口唇, 歯肉および頬内側の一側性のしびれまたは知覚異常を伴う体性感覚症状(ii) 口顔面の運動徴候(iii) 発語停止(iv) 流涎非定型欠神発作, 焦点脱力発作, 陰性ミオクローヌスの発生は, EE-SWASへの進展を示唆眠気や睡眠で活性化する高振幅 (頂底間200μV超) な中心側頭部鋭徐波複合は診断に必須
脳神経内科

自己免疫介在性脳炎の抗体は年齢・性別で異なる

日本では脳炎パネル検査が行えないので, 抗体検査の種類をしぼる必要があります.若年: MOG, NMDAR, GAD65中高年: LGI1, GABAb, CASPR2, ANNA1, GAD65女性: NMDAR, GAD65という傾向を意識すると良いかもしれません.
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アメリカ臨床神経生理学会の推奨モンタージュ

ガイドラインでも推奨されていますが, bipolar montageとreferential montageの両方での比較が大事です.側頭葉てんかん疑いでは, Cz, AVでも評価する.前頭部焦点の場合は, 耳朶でも評価する.Fz, Cz, Pzや, P3, P4電極を間引かれて測定されているも散見しますが, 21個の電極すべて使用することも推奨されています.
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DEE-SWASとEE-SWAS (睡眠時棘徐波活性化)

睡眠時棘徐波活性化を示す発達性てんかん性脳症と睡眠時棘徐波活性化を示すてんかん性脳症(developmental and epileptic encephalopathy with SWAS and epileptic encephalopathy with SWAS)DEE-SWASおよびEE-SWASは, 睡眠時電気的てんかん重積状態 (ESES), 退行が特徴的EE-SWASは, 発症前の発達が正常で, ノンレム睡眠中の緩徐な (1.5-2Hz) 棘徐波複合の活性化DEE-SWASは, 既存の神経発達症を持つ患者に, 睡眠中の棘徐波複合の顕著な活性化SeLECTsやSeLEASなどの特定の焦点てんかん症候群や, 他の構造的焦点てんかんは, 一過性または長期的にEE-SWAS に進展する可能性がある.構造的病変がある患者でも, 臨床発作は通常思春期頃に寛解する脳波上のSWASパターンもまた, 通常は青年期までに消失する
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正常亜型のスパイク (wicket, SSS, 14 and 6 Hz positive)

有病率6.8~15%主に成人, 年齢中央値は28歳 (範囲1~89歳)単相性の弓状または鋭い輪郭単一または0.5~3秒間続く連続6~11Hz, 60~200 μV中側頭部で最大片側だけに見られることが多いが, 両側もある. 左側が多い.眠気や浅い睡眠 (ステージ I および II) が多く, 覚醒時やレム睡眠時にも見られる.単発の場合, てんかんと誤診される
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正常亜型の徐波 (RMTD, SREDA)

正常亜型有病率6%年齢中央値30歳 (範囲 3~80 歳) 主に若い成人に見られるが, 小児にも見られる中側頭部で最大律動的, 中~高電位, 4~7 Hzのシータ帯域傍矢状面および後側頭部に広がる場合がある片側または独立して両側に見られる場合がある弓状, ノッチ, 平坦などの形態で, 輪郭がはっきりしている場合がある
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島葉てんかん

シルビウス葉周囲に広がる島葉の発作では, 最初に喉の収縮として現れる.次に, 口周囲および片側感覚症状が続き, 最後に片側の運動症状が現れる.島葉の発作は, 側頭葉, 前頭葉に広がり, これらの領域で発生する発作のように現れることがある.島は脳の奥深くに位置するため, 発作間欠期および発作時脳波は変動しやすい.対側の島や他の脳領域に, 発作が急速に広がる可能性がある
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全般てんかんの焦点性脳波異常と発作症状1

発作症候の側方化の判断は, 評価者によって異なることがあり, ばらつきが多いです.非対称性の強直発作は, 焦点てんかんの特異度が高そうですCase 2のように, 病歴は焦点てんかんを示唆することはあっても, IEDsと発作時脳波から全般てんかんと診断できることもあります.
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焦点てんかんと全般てんかんの脳波: review

焦点てんかんの二次性同期, 全般てんかんとのIEDsの鑑別は, 下記を含めた包括的な判断が必要です.焦点てんかん: 発作間欠期徐波は, 焦点てんかんのIEDsと同じ領域ダイポールは一定IEDsは, 睡眠で賦活化全般てんかん:IEDsは, 覚醒時に賦活化. VPAで断片化や消失する過換気賦活でIEDsが誘発されうる
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Dravet (ドラベ) 症候群

正常乳児の生後12か月以前に, 発熱 (特に微熱) を伴う遷延性焦点間代(片側間代)発作があれば強く疑う.焦点間代 (片側間代) 発作がしばしば左右交代性に起こる特徴的なかがみ歩行 (crouch gait) などの歩行異常てんかん重積状態は5歳以前に多く, 特に体調不良や発熱に伴って, 成人期にも出現することがあるナトリウムチャネル阻害剤の使用により増悪するIEDsは, しばしば焦点性, 多焦点性, 全般性ドラベ症候群の診断には, 典型的な臨床的特徴が必要であり, 遺伝子バリアントのみでは判断できない.遺伝子バリアントがなくとも本症候群の臨床診断を除外すべきではない乳児期経過が不明な成人は, 遺伝子診断を行う.