アセタゾラミド (ダイアモックス) は炭酸脱水酵素阻害剤ですが, 抗発作薬として有用と聞くことがあります.
そのエビデンスについて調べてみました.
日本の添付文書では, 250-750 mg/dayで, てんかんに対して保険適応があります.
酸感知イオンチャネルに反応することで, NMDAやGABAなどの神経伝達物質や受容体に影響し, 神経細胞の活動を変化させる.
このことが, 神経炎症の調整と, HFOを減衰させることで, 発作閾値が上昇すると考えられている.


941人の患者を対象とした12の観察研究では,
50%発作減少率は49%
seizure free 20%
副作用 30%
アセタゾラミドの副作用のほとんどは, 代謝性アシドーシスによる
倦怠感, 知覚異常, めまい
腎結石のリスクがあるが, 特にTPMとZNSとの併用を避けることで軽減できる
PHT, PB, TPM, ZNSとの併用は, 高アンモニア血症のリスクが上がる.
[Shukralla AA, Dolan E, Delanty N. Acetazolamide: Old drug, new evidence?. Epilepsia Open. 2022;7(3):378-392. doi:10.1002/epi4.12619]
【まとめ】
50%発作減少率は49%という報告ですが, ほとんどが2000年以前の研究であり, ランダム化比較試験はまだ行われていません.
どの程度の量で効果が発揮するかも不明です.
難治性てんかんの患者で, 他に選択肢がない場合は, 一度試してみる価値はあるかもしれません.
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