慢性めまい症 (PPPD) に抗うつ薬を使う

BPPVのようですが, メニエールでもない, ぱっとしない慢性めまい症にときどき出会います.

Predictors of treatment response to pharmacotherapy in patients with persistent postural-perceptual dizziness. J Neurol. 2021

持続性知覚性姿勢誘発めまい (PPPD: persistent postural-perceptual dizziness)

原因不明とされていためまい症の約70%

中枢神経系におけるバランス保持の視覚・体性感覚過敏

持続性の浮動性めまい, 不安定さ, あるいはその両方が3ヶ月以上続く

急な動き, あるいは誘因なく悪化する

一般平衡機能検査で異常は認めない.

SSRI, SNRIの治療反応率は65.0%

うつ病の初期用量の4分の1から半分の量で開始.

徐々に漸増するとよいとされる.

エスシタロプラム (レクサプロ) の場合, 初期用量 2.5~5 mg/day, 治療範囲 10~20 mg/dayを提案.

治療開始から2~3か月以内に反応が現れる可能性があることを示唆

[Min S, Kim JS, Park HY. Predictors of treatment response to pharmacotherapy in patients with persistent postural-perceptual dizziness. J Neurol. 2021;268(7):2523-2532. doi:10.1007/s00415-021-10427-7]

【新しい抗うつ薬】

非精神科医でも使いやすい抗うつ薬を教わりました.

ボルチオキセチン (トリンテリックス)

S-RIM (セロトニン再取り込み阻害・セロトニン受容体調節)

従来のSSRIに, セロトニンを中心とする受容体調節作用がある.

SSRIよりも嘔気や性機能障害の副作用が少ない.

もっとも頻度が多い副作用は悪心 (19.0%), 傾眠 (6.0%) で, ほとんど1週間以内に改善する.

効果が穏やか

薬価が高い (10 mgカプセル: 161.7円)

10 mgが開始用量だが, 5 mg分1夕食後から開始すると良い.

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