脳波 (phantom spike: 6 Hz spike and waves)

6Hzの棘徐波が特徴的

発生率は0.1%程度.

年齢中央値は16歳 (1-66歳) と幅広い

スパイクの振幅は低く, 通常は40 μV 未満

スパイク成分の持続時間は30 ms未満

5-6 Hzで最大2秒続く短いバースト

通常は, 両側で同期して発生するが前頭部優位または後頭部優位を示すことがある.

WHAM (覚醒, 高振幅, 前方, 男性): Wake, High amplitude, Anterior, Male

FOLD (女性, 後頭部, 低振幅, 眠気): Female, Occipital, Low-amplitude, Drowsiness

WHAM では, スパイク振幅は通常45 μV を超える

FOLDはWHAMと比較して良性であり, てんかん患者での有病率も低い

現在のコンセンサスでは臨床的意義は不明

スパイク高振幅, <5 Hz, 前方優位は, てんかんとの関連性が高いことも示唆されている.

WHAM (覚醒, 高振幅, 前方, 男性): Wake, High amplitude, Anterior, Male

縦の双極誘導:

6Hzの棘徐波を認め, 前頭部優位です. スパイク成分は非常にわずかです.

Referential montage:

スパイク成分が双極誘導よりもわかりやすくなりました

前方優位であることがわかります

Average:

左前方優位な印象になりました.

SD:

左前頭部に限局していそうです

おまけ: 従来のreferential montage

FOLD (女性, 後頭部, 低振幅, 眠気): Female, Occipital, Low-amplitude, Drowsiness

縦の双極誘導:

右後頭部優位に, 6Hzのsharp and waveを認めます.

うとうとしているので, 基礎波はやや徐波化しています.

referential montage:

referential montageにすると, 波形がわかりやすくなりました.

このように, 双極誘導ではわかりづらい波形が, referential montageではっきりすることもあります.

右優位, 後頭部優位の6Hz spike and waveを認めます.

通常の全般性てんかん性異常よりは, 小さな波形で, かわいらしい印象です.

おまけ: 従来のreferential montage

FOLD: bipolar

FOLD: average

WHAM: bipolar

WHAM: average

[Amin U, Nascimento FA, Karakis I, Schomer D, Benbadis SR. Normal variants and artifacts: Importance in EEG interpretation. Epileptic Disord. 2023 Oct;25(5):591-648. doi: 10.1002/epd2.20040. Epub 2023 Jul 27. PMID: 36938895.]

【まとめ】

個人的には, IEDsとphantom spikeの鑑別として, 6Hz前後, spike成分が非常に小さい, spike成分が左右対称である, spikyな感じがないことを目安にしています.

特にFOLDの波形は小さく, かわいらしい印象を持っています.

WHAMとFOLDを分類するにあたっても, 適宜モンタージュを変更して分布を確認することが重要です.

脳波は電位マップも大事の記事はこちら

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