自己免疫介在性脳炎の鑑別に髄液検査は有用か?

自己免疫介在性脳炎の髄液検査所見: systematic review

髄液細胞数5/μl以上と抗体の比較

細胞数5以上が黒いグラフ

GAD, LGI1は, 髄液細胞数の上昇は認めにくい

NMDAR, GABAbでも細胞数5以上は50%程度

NMDARの細胞数は幅が広い

A: 髄液蛋白45 mg/dl以上と抗体の比較

C: OCB陽性と抗体

髄液蛋白45 mg/dl以上 (黒) は, ほとんどが50%以下

OCBは, NMDA, GABAb, GADで陽性率が50%以上

髄液細胞数5/μl以上, 髄液蛋白45 mg/dl以上, OCB陽性の組み合わせ

LGI1は髄液細胞数, 蛋白, オリゴクローナルバンド (OCB) いずれも陰性になりやすい.

NMDARは何らかしらの異常を認める

[Blinder T, Lewerenz J. Cerebrospinal Fluid Findings in Patients With Autoimmune Encephalitis-A Systematic Analysis. Front Neurol. 2019;10:804. Published 2019 Jul 25. doi:10.3389/fneur.2019.00804]

【まとめ】

髄液検査プロファイルは, 自己抗体の種類によって異なる.

NMDAR, GABAbでも細胞数5/μl以上は50%程度. GAD, LGI1はほとんど上昇しない.

NMDARの細胞数は幅が広い

髄液蛋白45 mg/dl以上は, ほとんどの抗体で50%以下

OCBは, NMDA, GABAb, GADで陽性率が50%以上

LGI1は, 髄液細胞数, 蛋白, オリゴクローナルバンド (OCB) いずれも陰性になりやすい.

NMDARは何らかしらの異常を認める

髄液細胞数, 蛋白, OCB陰性でも自己免疫介在性脳炎の否定にはならない.

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