MOGHE (オリゴデンドログリア過形成とてんかんを伴う皮質発達の軽度奇形)

オリゴデンドログリア過形成とてんかんを伴う皮質発達の軽度奇形 (MOGHE: mild malformation of cortical development with oligodendroglial hyperplasia in epilepsy)

従来のFCDとは異なるMOGHEという病理が注目されつつあります.

白質を主体とし, FCDとは毛色が異なる印象です.

[Najm I, Lal D, Alonso Vanegas M, et al. The ILAE consensus classification of focal cortical dysplasia: An update proposed by an ad hoc task force of the ILAE diagnostic methods commission. Epilepsia. 2022;63(8):1899-1919. doi:10.1111/epi.17301]

臨床像は, 薬剤抵抗性てんかん, てんかん脳症の2つに区分
いずれもSLC35A2遺伝子変異に関連

てんかん脳症タイプ

最も多く, 早期発症の発作 (3か月~3.5歳), 中等度から重度の知的障害, 前頭葉優位の脳 MRI 異常が特徴.

薬剤抵抗性てんかんタイプ

思春期から成人期の間に発作が発症し, 知能は正常または境界性. 50%で脳 MRIに異常なし.

FLAIR, T2で層状の皮質下高信号.
オリゴデンドロサイトおよび異所性ニューロン前駆細胞の密度増加に関連している可能性あり.

variantの割合で外科成績も異なる

[Barba C, Blumcke I, Winawer MR, et al. Clinical Features, Neuropathology, and Surgical Outcome in Patients With Refractory Epilepsy and Brain Somatic Variants in the SLC35A2 Gene. Neurology. 2023;100(5):e528-e542. doi:10.1212/WNL.0000000000201471]

【まとめ】

SLC35A2遺伝子関連のMOGHE は, 薬剤耐性非病変性の焦点てんかんの病因となる可能性がある.

特に前頭葉が関与し, 思春期または若年成人期に発症することがある.

MRI non-lesionの難治性前頭葉てんかん症例に出くわすことがあるが, MOGHEのようにMRIには映らない病変が潜んでいるかもしれない.

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