一般的に, LTGによる重度薬疹は0.1~0.01%,
軽度薬疹は8~11%.
LTGは8週間以内に薬疹を生じることが多い.
低用量で導入すると24.6%から7.7%に減らせたことを報告.
この機序として, T細胞を介した遅延型アレルギー反応が示唆されている.


[森田陽介ら,ラモトリギンの低用量による皮膚障害に関する後ろ向き調査. Jpn. J. Drug Inform. 2022;23:178-182]
LTGで薬疹を生じた症例に対する, LTG再投与の研究は複数報告されている.
LTGで薬疹を生じた19例では, 84%で薬疹再発を認めなかった.
プロトコール: 5mg/日もしくは隔日(2週間)→5mgずつ漸増(2週間毎)→25mgまで漸増したら通常通りに漸増
[P-Codrea Tigaran S, et al. Lamotrigine-induced rash–worth a rechallenge. Acta Neurol Scand. 2005 Mar;111(3):191-4.]
上記と同様のプロトコールで行った前向き研究およびメタ解析
いずれもLTG初回投与で軽症 (grade 1) から軽中等度 (grade 2) 薬疹を発症した27人にLTG再投与.



初回に軽症 (grade 1) だった11人は, 薬疹再発なし.
軽中等症 (grade 2) だった16人のうち5人が, 発疹または炎症のために投与を中止.
スティーブンス・ジョンソン症候群を発症した患者はいなかった.
4週間以内に再投与を開始した場合, 発疹の発生率は上昇する (36% vs 7%, p=0.002)
初回の薬疹が軽症であるほど再発率は低下 (0% vs 23%, p=0.01).
[Aiken CB, Orr C. Rechallenge with lamotrigine after a rash: a prospective case series and review of the literature. Psychiatry (Edgmont). 2010 May;7(5):27-32.]
【まとめ】
LTG開始から8週間以内の漸増スピードが, 薬疹発症に関与すると報告されている.
LTGを再投与する場合には, 2.5 mgもしくは5 mgから再投与を開始し, 2週間毎に5 mgずつ漸増することを考慮しても良いかもしれない.
LTG初回投与で粘膜疹を伴う薬疹だった場合や, 薬疹発症から4週間以内の再投与は控えた方が良いだろう.
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